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自分が贈っていない相手からお中元をいただいた場合、「お返しをしなくては」と思うこともあるものです。しかし、お中元は基本的に目下の人から目上の人に感謝の気持ちを示すものとして贈るものなので、お返しは必要ありません。
そうはいっても「お返しをしたい」と思うこともあるでしょう。「お返しをしないのは気になる」といったこともあるかと思います。
その場合は、お返しをしてもいいのでしょうか?また、お返しはいつ贈ればいいのか、金額はどれくらいのものがいいのか、などいろいろな疑問が生じてくるものです。
お中元のお返しにもマナーがあります。お返しを贈る前のお礼状について、贈る際のタイミング、また金額や相場について知っておきましょう。
お中元にお返しは必要?
古代中国の道教における習慣の一つである、中元を起源とするのが日本のお中元ですが、自身が贈り物をいただくこともあるでしょう。自分が贈っていないのにいただいた場合、お返しはしたほうがいいか、悩んでしまうこともあるものです。
基本的に、お中元をいただいた場合のお返しは必要ないとされています。お中元は通常、目下の人から目上の人・取引先・両親など、日頃お世話になっている人に贈るものです。
日頃からお世話になっていることに対する感謝の気持ちを示すために贈るものなので、贈られたほうはそのお返しをする必要はありません。ただし、贈り物はしなくても、お礼状を出すのがマナーです。
お中元をいただいたら、できるだけ早くお礼状を出しましょう。
お中元のお返しをしたほうがいい場合
基本的にお中元のお返しは必要ありませんが、お返しをしたほうがいい場合もあります。目上の方からのお中元や、親しい友人・職場の同僚・兄弟など同じ立場の方などからいただいた場合は、お返しをしたほうがいいでしょう。
目下の方からのお中元に対しては、原則お返しは不要です。しかし関係性やとくにお世話になっているという場合、お礼状だけでなく贈り物をしたいなどといった場合はお返しをしても問題ありません。
お返しを贈る前にまずは「お礼」を伝えよう
場合によっていただいたお中元のお返しをするのは問題ありませんが、お返しを贈る前にはまず、お礼状を出すのがマナーです。お中元を贈っていただいた相手に礼状を出すことで、「お礼」の気持ちを伝えましょう。
「贈り物の品をきちんと受け取らせていただきました」という報告をするうえでも、お礼状を出すのは大切なことです。お中元を贈っても何の連絡もないと、「何かあったのか?」「何か失礼なことをしてしまったのかもしれない」などと、心配をさせてしまいます。
お中元を贈ってくれた相手を安心させるためにも、お礼状はできるだけ早く出すようにしてください。
お礼は電話やメールでもいい?
お礼の気持ちを早く伝えることが大切なので、電話やメールでも問題ありません。ただし、ていねいなのはハガキや手紙でお礼をすることです。
よりていねいにお礼をしたいと思うなら、縦書きの封書で出してください。職場の上司や取引先の目上の方などには、封書を使うのがおすすめです。
そこまでかしこまらなくてもいい親しい関係性の相手であれば、ハガキでもかまいません。
自分で礼状を出せない場合は代筆でもいい?
仕事が忙しいなどお礼状を書く時間が取れない場合は、代筆を立てるのも一つの方法です。通常は妻が代筆をします。
妻が代筆をする場合は、夫の名前の左下に「内」と書きます。相手が共通の友人など親しい関係性であれば、夫婦連名で出しても問題ありません。
お中元のお返しを贈る時期やタイミング
お中元をいただいたら、まずはお礼状を出します。お礼状を出す時期はできるだけ早く、3日以内が理想です。
お礼状には時候の挨拶、お中元のお礼、相手の健康への気遣いなどのほか、「家族も喜んでいます」などの言葉を書くといいでしょう。お返しを贈るタイミングはお礼状を出してから1週間程度経ってからが望ましいです。
お礼状と同時に出すのも一つの方法ですが、贈り物などを選んでいてお礼が遅くなってしまうのは避けたいものです。また、お中元が届いたらお礼は早めにするのがマナーですが、お返しの品を早急に贈るのは控えます。
すぐにお返しをすると、相手にかえって気を遣わせてしまうことがあるので注意してください。
お中元の時期が過ぎてしまったら?
お返しの届く時期がお中元の時期を外れてしまう場合は、表書きを「お中元」ではなく、「暑中見舞い」もしくは「残暑見舞い」として贈ります。お中元の時期は地域によって異なります。
お返しの贈り先がどの地域で、お中元の時期はいつか、期間はどれくらいか、の確認が必要です。なるべく残暑見舞いにならないようにしましょう。
お返しの品には挨拶状(添え状)を入れる
お中元のお返しを宅配便などで送る場合、贈り物の品には挨拶状(添え状)を入れるのがマナーです。挨拶状には、時候の挨拶や相手の健康を気遣う内容を記載します。
「ほんの気持ちです」や「ささやかではありますが」などの言葉を添えることで、相手に気を遣わせずにすむでしょう。品物をお店から直接送る場合など、挨拶状を同封できない場合はお返しの品が届く前に、送り状を出しておく必要があります。
その際は、お返しの品がいつ頃届くか、何が届くかを記載してください。相手に届く時期や商品を知らせることで、外出予定を立てやすくしたり、お返しの品の受け入れ準備をしたりできます。
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お返しの相場は、いただいた品物の「半返し」か「三分返し」を目安に
お返しの品はどれくらいの金額のものを贈ればいいのでしょうか?お返しの相場は、いただいた品物の「半返し」か「三分返し」を目安にします。
5,000円程度のものなら3,000円程度かそれより安い金額の品を選んでください。お返しだからといって、相手からいただいた品よりも高額なものを贈ってしまうと、「次回からお中元を贈っていただかなくてけっこうです」という意味になってしまいます。
また、いただいた品より高額なものを贈れば、相手に気を遣わせてしまったり、気を悪くさせてしまったりすることもあります。親しい友人や同僚など、お互いお中元を贈るとわかっている相手には、同額程度でも問題ありません。
目上の人など同等の立場ではない相手には、いただいた品物よりも安い金額のものを選びましょう。
お返しの品は相手に気を遣わせないものを
お返しの品は、スイーツやドリンク類など、相手が気軽に受け取れるものを選びます。注意したいのは、いただいた品物と同じ品を贈らないことです。
いただいたものがおいしかった、またうれしかったからといって、同じものを贈ると相手から「送り返された」と受け取られてしまう可能性があります。そのため、お返しの品はいただいたものとは異なるものを贈るようにしてください。