日本にはお歳暮という風習がありますが、そもそもなぜ贈るのか疑問に感じるかも知れません。そのような際には、お歳暮を見直してみてはどうでしょうか。

また、お歳暮と似た風習にお中元もありますが、実は由来が異なります。それぞれの由来と基本的なマナーを紹介しますので、確認してみてください。

お歳暮の由来は先祖の霊を迎える「御霊祭」という行事

お歳暮の起源は、室町時代までさかのぼります。その当時の日本では、「御霊祭」という先祖の霊を迎える行事でお供え物をしていたことが、お歳暮の由来だといわれています。

御霊祭のお供え物

御霊祭のお供え物は、福を呼ぶもので日持ちのするものが選ばれていました。塩鮭・餅・数の子・するめ・塩ぶりなど、魚介類をお供え物として用いることが多かったようです。

また、お供え物は新年を迎える年神様へのお供えの意味もあるため、神様がお酒をいただく際のおつまみになる食品が好ましいと考えていました。

お歳暮が広まった時代

お供え物は、分家から本家への贈り物としてや、嫁いだ娘が親元に持ち寄ることがありました。さらに江戸時代になると商人が挨拶回りの品を贈るようになり、明治30年ごろには親族や取引先などお世話になった方へ、感謝の気持ちを伝えるためお歳暮が贈られるようになります。

お歳暮を贈る「時期」や「贈り物の相場」

お世話になった方へお歳暮を贈るときは、基本的なマナーを守るようにしましょう。覚えておきたいマナーは、贈る時期・相場・のしの扱いです。

贈る時期

お歳暮を贈る時期は、12月上旬~12月25日ごろです。12月13日はお正月の準備を始める時期で、このあたりから贈るケースが多いのですが、最近は11月下旬から贈る方もいます。

贈る時期は年内までですが、手配が遅れてしまい年内に贈れないときは、「お年賀」や「寒中見舞い」として贈ります。お歳暮・お年賀・寒中見舞いはそれぞれ、地域によって贈る時期が多少異なるため、贈る方に合わせて事前の確認がおすすめです。

相場

お歳暮の相場は、3,000円~5,000円です。親戚や知人のように親しい関係性の方へは3,000円くらいの品物、上司や仲人など目上の方へは5,000円が一般的で、とくにお世話になった方へは10,000円を上限に贈り物を選ぶことがあります。

また、半年の感謝の気持ちを伝えるお中元と比べて、1年の感謝の気持ちを伝えるお歳暮は、2割程度金額を高くするケースが多いようです。相手との関係性や贈る内容に合わせて、金額を選ぶようにしてください。

のし紙の種類

お歳暮にかけるのし紙は、紅白5本の蝶結びの水引に熨斗がついたものを選びます。表書きは水引上の中央に「お歳暮」や「御歳暮」と書き、名入れは水引下の中央にフルネームで書きます。

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お中元の由来は「中国の仏教行事」

お歳暮は日本の風習が起源ですが、お中元は中国の文化が日本に伝わったものです。どちらもお世話になった方へ感謝の気持ちを伝える贈り物ですが、由来となった文化が異なります。

中国の道教が起源

中国には民族宗教として道教の三官大帝信仰があります。道教には、1月15日を「上元」7月15日を「中元」10月15日を「下元」というように3つに分ける風習があり、そのひとつ中元がお中元の起源です。

それぞれの日は三官大帝の誕生日とされており、人々は罪の許しを乞い、厄を払ってもらって幸せをあずかるよう神様を祭るお祭りが行われていました。その際に近隣の人たちに贈り物をしたことがお中元の起源だといわれています。

日本へは仏教と合わさり伝わる

日本では中国から仏教が伝わることで、7月15日は盂蘭盆会というお盆の行事をしており、家族間で贈り物をする風習がありました。お盆には、そうめんやお米などを手渡す風習があったのです。

この仏教の風習と中国の中元が混ざることで、日本古来の風習へと変化していきます。さらに変化していき、今のように取引先やお世話になった方へ夏の贈り物をするようになりました。

お歳暮もお中元も「日頃の感謝を伝える習慣」

お中元もお歳暮も日頃お世話になった方へ、感謝の気持ちを伝える意味のある習慣です。そのため相手が喜んでくれる贈り物を選ぶのが基本ですが、それぞれ季節に合わせた品物を選ぶとよいでしょう。

以前は、どちらも会社の取引先や上司に贈ることが多かったのですが、最近は家族や友人など身近な方へ贈るケースも増えています。贈る相手に決まりはなく、感謝の気持ちを伝えたい方なら誰でも贈ることが可能なので、相手の好みに合うものを選んでみてください。

お中元

お中元は夏の暑い時期に贈るもののため、涼しく過ごせる品物が人気です。たとえば、アイスクリーム・フルーツゼリー・スイカやメロンなどのフルーツ・そうめん・ビールなどを贈ると喜んでもらえるでしょう。

お歳暮

お歳暮は年末に贈るもので、家族みんなで過ごすことが多いことから、家族団らんに使える料理やお正月料理などがおすすめです。たとえば、鍋セット・ハムセット・お酒・海鮮類・干物セットなどを贈る場合があります。

お歳暮・お中元は「毎年続けて贈ること」がマナー

お中元とお歳暮は両方を贈ったらよいのか迷うことがあります。また、途中で贈るのをやめたくなる場合もあるため、それぞれの対処方法を確認しておくとよいでしょう。

片方だけ贈ってもよい

予算の関係でお中元とお歳暮の両方を贈ることが難しいなら、片方のみでもマナー違反にはなりません。どちらか一方にするなら、1年の感謝の気持ちを伝える贈り物の意味がある、お歳暮を選ぶとよいでしょう。

お中元とお歳暮を比較すると、お歳暮のほうが重視される傾向があります。どちらも日頃の感謝を伝える贈り物ですが、必ずしも両方を贈らなければならない決まりはありません。

贈ったら来年も贈ることを前提に

お中元もお歳暮も、一度贈ったら来年も贈ることがマナーです。途中でやめてしまうと縁を切ると勘違いされる恐れがあるため、基本的には毎年贈り続けます。

贈り物をするか迷ったら、来年も贈れるかどうかを考慮してください。また、贈られる相手にとっても負担にならないかどうかも考慮して、贈る相手を決めるとよいでしょう。

一度だけ贈る場合

一度だけお礼の品物を贈りたいときは、お中元やお歳暮としてではなく、表書きを「御礼」にして贈ります。お礼としての贈り物なら、来年も継続して贈らなくても相手に対して失礼になりません。

途中でやめたいとき

お中元やお歳暮は、少なくとも3年は続けるのがマナーです。事情があってやめたいときは、段階的にやめていくことが大切です。

やめ方は、両方を贈っていたものをお歳暮のみにする、年賀状の挨拶のみにするなどの対応方法があります。いきなり贈るのをやめると、相手に心配をかける恐れがあるため、少しずつ段階的にやめていくのがスマートです。

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