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お中元をいただいたらお礼を伝えるのは当然のマナーですが、お礼の方法で迷ってしまうこともあるでしょう。お中元のお礼は、手紙やはがきなどでお礼状を出すのがマナーです。

そうは言っても電話の方が早くお礼を言えます。忙しくて手紙を書けないのであれば、電話の方がよいのでは、とも考えられます。

しかし、お礼状を出す理由はお礼を言うだけではありません。電話のメリットもありますが、お礼状を出すのには大切な理由があるのです。

電話でもよいのか、それともお礼状を出さなければいけないのか、お礼状のマナーと注意点について解説します。

お中元の「お礼状」はなぜ出すのがマナー?

お中元をいただいた際には、お礼をするのがマナーですが、お中元のお礼は「お礼状」が正式なマナーです。

お付き合いの程度や関係性によっては、電話やメールでお礼をするのも非常識とは言いません。ただし、手紙やはがきでお礼を述べるのが正式なマナーだということは覚えておいてください。

お中元のお礼状はなぜ必要?

お礼状は、もちろんお中元をいただいたことへの感謝の気持ちを伝えるために出すものです。しかし、お礼状を出す理由はそれだけではありません。

お礼状を出すことで、「たしかに贈り物をいただきました」ということを贈った相手に伝えることができます。贈った相手は、お中元が無事届いたかを気にしているものです。

また、贈り物は気に入ってもらえたのか、といった点も気にしています。お礼状でお礼と贈り物に対する感想などを添えることで、相手を安心させることができます。

自分の近況報告もできるのがお礼状のメリットです。相手への気遣いに対する感謝を伝えると同時に、お中元を贈ってくれた相手を安心させるという気遣いをすることが大切なのです。

お返しは不要?

お中元は基本、目上の方に贈るもので、贈られた方からのお返しは必要ありません。ただし、お返しをしてはいけない、というルールもありません。

目上の方や同僚などにはお返しをした方がよい場合もあります。お返しをする場合でも、まずはすぐにお礼状を出してから、1週間程度後にお返しが着くように送ります。

お返しをする際にはいただいた品物の半額か、同額程度のものを贈るのがマナーです。いただいた贈り物より高額のものを贈ると、「次回からはお中元は贈らなくてけっこうです」という意味になることを覚えておきましょう。

「電話」でお礼をするのは失礼にあたる?

お中元のお礼は手紙やはがきを出すのが正式なマナーですが、電話でお礼をしても失礼にはあたりません。ただし、目上の人にはお礼状を出すことをおすすめします。

電話でお礼を伝えるメリットとデメリット

電話でお礼を伝えるメリットは、すぐにお礼が言えることです。お礼は早いタイミングですることが大切です。

手紙やはがきを出そうとしても、便せんやはがきを用意したり、文面を考えたりするのに手間や時間がかかることもあります。お礼はすぐにするのがマナーなので、電話であれば手間などもかからず、すぐにお礼を伝えることができます。

ただし、電話は相手の都合やタイミングなどを把握するのが難しいものです。こちらがよくても、相手にとっては電話に出られない状況となっていることもあります。

相手が忙しそうであれば、ゆっくり挨拶をしたり、お礼を述べたりすることができません。また、相手が電話に出ないからと言って、留守番電話にメッセージを残しておくだけでは、きちんとお礼を伝えるには不十分で失礼にあたります。

お礼状なら感謝の気持ちをきちんと伝えられる

家族や友人など、気楽な関係性であれば電話でもよいのですが、目上の人や取引先などにはお礼状を出すのが一般的です。お礼状なら相手の時間を邪魔することなく、忙しい時間に慌てて挨拶やお礼を述べることなく、しっかりと感謝の気持ちを伝えることができます。

電話でお礼をする際に「注意すべきポイント」

電話でお礼をする際には、贈り物に対するお礼だけを述べればよいというものでもありません。感謝の気持ちのほか、相手に対する気遣いをするのがポイントです。

相手の健康を気遣う

電話をかけていきなりお中元のお礼を述べるのは、マナー違反とまでは言いません。しかし挨拶をしたあとは、相手の健康を気遣う言葉や近況を尋ねましょう。

相手との関係性にもよりますが、相手のことを気にかけていることを伝えられれば、好印象を与えられます。注意点としては、自分の話を先にするのではなく、相手の話を先にすることです。

贈り物に対するお礼や感想を伝える

挨拶がすんだら、お中元に対する感謝の気持ちを伝えます。その際、「家族も喜んでいます」など、選んでくれた贈り物に対する感想を述べると、相手を安心させることができます。

贈り主は贈り物が喜んでもらえたかどうかを気にしているものです。贈る相手の好みなどに合わせたものであれば、なおさら気にかけています。

このように、お中元が届いたことだけでなく、品物に対する気持ちを伝えるのも大切なポイントです。そういった気遣いは相手を安心させるものです。

電話の基本的なマナーを守る

電話をかける際の基本的なマナーを守ることも必要です。相手が忙しそうであれば、無理に話を長引かせてはいけません。

夜遅い時間、朝早すぎる時間などを避け、できるだけ相手が電話に出やすい時間を見計らってかけるのが望ましいです。また、現在では携帯電話の性能も高く、騒音で声が聞こえないなどの問題は少ないと思われますが、できるだけ静かな環境でかけた方がよいでしょう。

電話+お礼状が「より丁寧」 お礼は早めに伝えよう

お礼の電話をすればお礼状は必要ない、と考えるかもしれませんが、基本的には電話だけでなくお礼状も出すのがマナーです。

電話ではかけるタイミングなどによっては、気持ちや伝えたいことを十分に伝えられないこともあります。お礼状を出すことで、感謝の気持ちをきちんと伝えることができるだけでなく、よりていねいな印象を与えることができるでしょう。

特に取引先にはお中元が届いたらすぐに電話をしてお礼を述べ、3日以内にお礼状を出すようにします。電話ですぐにお礼を伝えることができ、お礼状できちんと感謝の気持ちを伝えられます。

お中元をいただいたらお礼は早めにすること

お中元のお礼は早めにすることが大切です。お礼が遅くなるほど、相手は不安な気持ちを抱えて過ごすことになります。

お礼状をすぐに出せない場合は、まずは電話をするとよいです。そのあと、ていねいなお礼状を出します。

遅くなったからとお礼を伝えないのはタブーです。その際は、お礼が遅くなったことをお詫びしてから、感謝の気持ちを伝えましょう。