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お歳暮の習慣はなぜ始まったのか、なぜ食べ物を送るのか、考えたことはないでしょうか。どういった意味での贈り物なのか理解していないと、義務的になる恐れがあるので、この機会にお歳暮の文化をおさらいしてみましょう。

事前にお歳暮の文化を知ることで、より真心のこもった贈り物になります。意味をきちんと理解して目的のある贈り物にしたい方は、紹介する内容を参考にしてみてください。

お歳暮は先祖の霊を迎える「御霊祭り」がはじまり

日本にはお歳暮の起源となった「御霊祭」がありました。お歳暮は日本文化であるのに対し、お中元は中国の習慣が伝わったもので意味が異なるため、それぞれの特徴や違いを紹介します。

お歳暮

お歳暮の始まりはいつからかはっきりわかっていませんが、室町時代で行われていた御霊祭が起源といわれています。御霊祭は、お正月に年神様を迎えるための行事です。

歳神様は大晦日に家庭にやってきて、1年間家にとどまり守ってくれる存在だとされています。また、御霊祭は先祖の霊を祀るための行事でもあるため、そのお供え物として食べ物を用意していた習慣がお歳暮の起源といわれます。

年の暮れになると、御霊祭の供え物が分家や嫁いだ娘から本家へ贈られていました。お供え物は保存性の高い食べ物が選ばれていたようで、塩鮭・数の子・するめ・塩ぶりなど魚介類が供えられていました。

さらに江戸時代になると、商人たちがお得意先への挨拶として品物を贈るようになり、徐々に庶民の間にもお歳暮の習慣が広まっていきます。このような形で今のように日頃お世話になっている方や、会社の取引先へと品物を贈る習慣へと変わっていったようです。

お中元

お中元の起源は、中国由来の文化がもととなっています。中国の歴では、1月15日を上元、7月15日を中元、10月15日を下元と3つに分けています。

その内のひとつ中元が、お中元の起源となっています。中国では7月15日を贖罪の日としており、その風習が仏教と混ざり日本に伝わることで、贈り物をする習慣へと変わりました。

そのため、お中元もお歳暮のように、感謝の気持ちを伝える習慣として定着しています。お中元もお歳暮も食べ物や日本酒などが贈られることが多いようです。

江戸時代の「掛け売りの回収」もお歳暮へとつながる

お歳暮は年神様や先祖の霊への供え物の歴史から始まったものですが、時代と共に武士や商人の間にも広まっていきました。時代と共に意味が変わることで、現代のようなお歳暮の習慣になっていきます。

武士の間で広まる

江戸時代の頃では、武士が目上の組頭に贈り物をする習慣がありました。武家社会では、組頭に准血縁の証として贈り物をしていたようです。

この頃の贈り物は、上司と部下といった上下関係でのやり取りでした。

商人の掛け売り

また、江戸時代には商人がお得意様に贈り物をする習慣がありました。商人は掛け売りで商売をしており、盆や春に半年分の清算をしていたため、そのお礼と来年もよろしくという意味で贈り物をしていたようです。

明治以降にお歳暮が広まる

明治に入ると一層官吏の権力が強くなり、自分の生活を安定させるため官吏へ高価な贈り物をするようになります。さらに一般庶民の間にも贈り物の習慣が広まり、上下関係だけでなく親戚や友人などの親しい人へも贈り物をするようになりました。

一般庶民の間にもお歳暮の習慣が広まったのは、百貨店のお歳暮商戦の影響もあるでしょう。今でもお歳暮の時期になると、百貨店やネットショップなど多くのお店でお歳暮の商品を見かけます。

このようにもともとお歳暮はお供え物を贈るものでしたが、上下関係での贈り物へと変わり、時代の変化により大切な方へ贈る習慣へと変化していきます。お歳暮の習慣は、いつの時代でも人々の温かい気持ちがある贈り物だといえるでしょう。

南信州 戸田屋 『柿寿楽』 1箱 8個入りの画像

南信州 戸田屋 『柿寿楽』 1箱 8個入り
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南信州の特産品『市田柿』に自家製の栗きんとんを詰めたお茶うけにぴったりのお菓子です。贈り物としても喜ばれます。

現代ではお世話になった人へ「感謝を伝える贈り物」

現代のお歳暮は、お世話になった方へ感謝の気持ちを伝える贈り物として利用されています。では、誰に贈ったらよいのか、どのように贈ったらよいのか具体的な習慣を見ていきましょう。

お歳暮を贈る相手

お歳暮は1年最後の挨拶という意味があるもので、お世話になった方へ感謝の贈り物をします。半年の感謝の気持ちを伝える贈り物のお中元と比べると、お歳暮を重視する傾向があるようです。

贈る相手に決まりはありませんが、お世話になった方やこれからお付き合いが続く方へ贈ることが多いでしょう。たとえば、両親・義実家・親戚などの身内から、上司や習い事の先生などです。

結婚を機に贈る人が増えるケースも多いようで、仲人や晩酌人には結婚後3年間は贈るとよいでしょう。ただし、公務員や政治家は利害関係者からの贈り物を受け取ることは法律で禁止されているため注意してください。

最近では、一般企業でもお中元やお歳暮の虚礼廃止をする場合があります。取引先にお歳暮を贈る際には、企業の方針で贈答を禁止しているか確認しておきましょう。

お歳暮を贈る相手で迷ったら、関係性で決める考え方があります。取引先で契約期間が決まっているならその間で贈るとよく、両親や親戚などこれからもずっとお付き合いが続く場合はこれからもよろしくという挨拶の意味で継続して贈る考え方がおすすめです。

お歳暮の贈り方

本来は、お歳暮を持参するのがマナーです。訪問する際は、事前に訪問する約束をしておき、食事時など相手が迷惑になる時間帯を避けましょう。

最近は、遠方で直接訪問できない理由や、相手の都合がつかず宅配便で送るケースが増えています。宅配便で送っても失礼ではありませんが、品物が届くより先に届くよう送り状を出すのがマナーです。

また、配送中にのし紙が破れる恐れがあるため、のし紙の上から包装紙で包むとよいでしょう。お店の人に内のしを指定すると対応してくれます。

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お歳暮は「相手への気遣い」を大切にする文化

お歳暮は相手への気遣いを大切にする文化のため、マナーを守ることが大切です。相場・品物・送り状など細かい点にも配慮しておくと、相手への敬意が伝わりやすくなります。

毎年贈ること

基本的に、一度お歳暮を贈れば、毎年贈り続けます。一度だけの感謝の気持ちを伝えたいときは御礼という形にして、お歳暮を贈るなら長く付き合うか、贈り続けても相手に負担をかけないか考慮してください。

疎遠になった方や年齢的な理由からお歳暮をやめることは可能です。しかし、突然贈るのをやめると相手に心配をかける恐れがあるため、段階的にやめていくようにします。

お歳暮の相場

お歳暮の相場は、3,000円~5,000円程度です。特別お世話になった方へは10,000円程度の贈り物をすることがありますが、高価なものを贈って相手に気を遣わせないか、また来年も同じ額で贈れるか考えてから決めてください。

おすすめの品物

贈る品物に決まりはなく、相手が喜ぶ品物を贈るのが基本ですが、手元に残らない食べ物を贈ると相手に気を遣わせずに済むでしょう。お歳暮はお正月が近いため、ハム・お酒・鍋・数の子・肉類・フルーツ・焼き菓子などが人気です。

送り状について

お店やネットショップから直接お歳暮の品を配送するときは、品物が先方に届く前に送り状が届くように出します。送り状は、日頃の感謝の気持ちを伝えるためと、品物がいつ届くのかお知らせするためのものです。

また、送り状が間に合わないときは、品物に手紙を添える添え状でも構いません。品物だけを贈るのは避けて、手紙を添えるようにします。

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