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取引先へお歳暮を贈る会社は少なくないでしょう。しかし、お歳暮を贈り慣れていないと、基本的なマナーがわからず、相手に失礼にあたる行いをしてしまうかもしれません。

なんとなくわかっていると考えないで、もう一度お歳暮の意味や贈り方を確認してみてはいかがでしょうか。ビジネスでは贈り方ひとつで関係性に影響を与える恐れがあるため、贈り方・相場・贈りたい品物などをチェックしておくようにしましょう。

また、取引先に贈るお歳暮で注意したいことも合わせて紹介します。今後も良好な関係を築けるよう、マナーを確認してみてください。

ビジネスシーンでのお歳暮は「1年の感謝の気持ち」を伝えるもの

まずは、お歳暮の基本的な意味を確認してみましょう。お歳暮は、取引先へ1年の感謝の気持ちを伝えるお礼の贈り物です。

ビジネスにおけるお歳暮は、会社全体から取引先に贈り物をします。そのため、プライベートのお歳暮よりもビジネスでのお歳暮のほうが重みがあると感じる人が少なくありません。

また、お歳暮の本来の意味は、先祖の霊をお迎えする「御霊祭り」によるお供え物でした。それが時代とともに、親族間で新年を迎えるための準備をする習慣になり、現代のようなお世話になった方へ感謝の気持ちを伝える挨拶の贈り物へと変化しました。

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取引先の会社へお歳暮を贈る「時期」

ビジネスでのお歳暮は、取引先との良好な関係を築くための重要な習慣です。そのため最低限のマナーとして、贈り方やタイミング、宛名などの注意点を確認しておきたいものです。

贈る時期

お歳暮を贈る時期は、基本的に12月10日~12月20日ごろです。ただし、地域によってお歳暮を贈る時期が異なっているため、取引先に合わせて調節してください。

関東地方は12月1日~12月20日まで、沖縄は12月初旬~12月25日までです。それ以外の地域では、12月10日~12月20日までが目安となります。

本来のお歳暮を贈る時期は12月13日からですが、ビジネスではどの会社も年末は忙しいことから、12月1日から贈る場合も少なくありません。早い会社では、11月下旬からお歳暮を贈るところもあります。

時期が過ぎたらお年賀や寒中見舞いとして
12月末までにお歳暮を贈れなかったときは、関東なら1月1日~1月7日まではお年賀として、それ以外の地域は1月1日~1月15日までお年賀として贈ります。また、のしには「お歳暮」ではなく「お年賀」と書いてください。

松の内を過ぎてから2月4日ごろの立春までは、寒中見舞いとして贈ります。表書きは「寒中御見舞」へ変えるようにしてください。

贈り方

お歳暮は1年お世話になった感謝の気持ちを伝える贈り物のため、相手に気持ちが伝わるよう手渡しが基本です。ビジネスでは手渡しだとコミュニケーションが取りやすく、ビジネスチャンスにつなげられることもあります。

ただし、年末の慌ただしい際に先方と会う約束ができない場合は、無理に手渡しをせずに配送でも構いません。近年では多くの会社がお歳暮を配送する傾向があるため、相手に対しても失礼にあたりません。

宛名

お歳暮の宛名は、会社名と社長名で贈るのが一般的です。のしの中央に個人名を記入し、その右側に会社名を書きます。

取引先の会社へお歳暮を贈る「相場」

取引先へのお歳暮の相場は、3,000円~5,000円です。とくにお世話になった取引先へは、5,000円~10,000円の品物を贈る場合もあります。

ただし、お歳暮は毎年贈るもののため、高価すぎるものは避けましょう。相手にも気を遣わせてしまう恐れがありますし、自社にとっても負担となりやすいため、来年も続けて贈れるかを考えてください。

企業や職業によっては、お歳暮を「受け取れない場合」がある

取引先へお歳暮を贈る前に、贈っても問題ないか確認しておきましょう。なぜなら、会社や職業によってはお歳暮を受け取れない場合があるからです。

公務員や政治家

法律により、公務員はお歳暮のような贈答品を受け取ってはならないとされています。公務員は公立の教師や地方公務員などで、みなし公務員も含まれるため注意してください。

また政治家も同様で、有権者からのお歳暮のような贈答品は受け取ることができません。政治家にお歳暮を贈ると賄賂としてとらえられる恐れがあり、罰則の対象となるため注意しましょう。

会社の方針で受け取れない

最近では会社の方針でお歳暮を禁止しているところがあります。そのような会社へお歳暮を贈ると、相手は断らなければならず気を遣わせてしまう恐れがあるため、事前に担当者へ確認を取るようにしてください。

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贈ると失礼にあたる「贈ってはいけないもの」にも注意

取引先へお歳暮を贈るときは、縁起の悪い品物は避けましょう。悪い意味にとらえられるような品物を贈ると、人によっては失礼だと感じるかもしれません。

お歳暮の品物として向かないものは、踏みつける意味のある下着、縁を切る意味のある刃物やハンカチ、お金に困っていることを連想させる商品券です。また、「苦」と「死」を連想させる櫛も縁起が悪い贈り物とされています。

ほかにも、縁起が悪いものではありませんが、賞味期限が短い生もの、先方の競合商品、数人で分けられないものも向いていません。アルコールは好きな方がいるなら問題はありませんが、好みがわからないなら嗜好品は避けるようにしましょう。

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取引先の会社へ贈るお歳暮の「選び方」

取引先に贈るお歳暮の品物で迷ったら、人気商品を選ぶとよいです。相手の職場の人数に合わせて皆で分けられるものがおすすめです。

個別包装のもの

スタッフ皆で分けられる個包装の焼き菓子・ドリップコーヒー・缶ジュースのセットは人気です。仕事の休憩時間に口にできるものを贈ると喜んでもらえるでしょう。

取引先に喜んでいただけた品物は、毎年同じものを贈っても構いません。同じ品物なら相手ももらって安心ですし、印象が強くなりやすいです。

話題のもの

若い女性スタッフが多い相手先へは、話題の品物がおすすめです。会社でも話題になりやすく、取引先との会話のきっかけにもなります。

話題の品物は、テレビやメディアで紹介されたもの、SNSで人気の品物などがあります。定番品はもらって安心ですが、たまには遊び心のある品物を贈るのもいいのではないでしょうか。

家族構成に合わせて

社長のお宅に直接贈る場合や、小規模のオフィスで家庭に持ち帰ることが想定されるときは、家族構成に合わせてください。小さな子どもがいるならお菓子類やジュースがよく、社長が好きなお酒を贈るのもよいでしょう。