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家族や親族で行うことの多い古希祝いでは、のしまで必要ないと考えている方もいるかもしれません。しかし、あらたまった贈り物には、のしを掛けるのが正式なマナーです。

贈り物にのしを掛けるべき理由、水引の種類や表書きのマナーを確認しておきましょう。また、古希祝いのお返し・内祝いの「のし」ついてもお伝えします。

贈り物には「熨斗(のし)」を掛けるのがマナー

あらたまった贈り物には、のしを掛けるのがマナーです。古希祝いにものしを掛けて贈りましょう。

熨斗(のし)とは

熨斗(のし)とは、慶事において贈り物に添える飾りのことです。贈答品には水引と呼ばれる紐が掛けてありますが、右上に細長い六角形の飾りもついています。

正確には、この飾りの中の黄色の部分が「のし」と呼ばれるもので、干して乾燥させた鮑(のしアワビ)を模しています。鮑は長寿を表し、古来より縁起物として用いられ、贈り物には「のしアワビ」を添える風習がありました。

現在ではのしアワビを添えることはなくなり、簡略化された「のし紙」を使います。掛け紙に「のし」と「水引」が印刷されたものを「のし紙」と呼び、贈り物にはのし紙を掛けるのがマナーとされています。

「のし紙」を掛ける理由

古希祝いは70歳の長寿のお祝いです。70歳という年齢は現代では稀ではありませんが、節目として家族でお祝いをするケースが多いようです。

家族間の贈り物だから、そこまで気を遣わなくてよいと考える方もいるでしょう。もちろん、必ずしも「のし」を掛けないといけない、ということではありません。

しかし古希祝いは、両親や祖父母に感謝の気持ちを伝えられるせっかくの機会です。いつもとは違った方法で、贈り物のマナーを守り、心から感謝の気持ちを伝えてみましょう。

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古希祝いの熨斗(のし)の「表書き」「水引」

贈り物に用いる「のし」には、書き方や名入れのマナーがあります。表書きの書き方や水引の種類を把握しておきましょう。

水引は「紅白蝶結び」

水引とは祝儀袋や贈り物に掛けられる紐のことです。ご祝儀袋の真ん中に、紐が結んであるのを見たことがあるでしょう。これを水引と言い、結び方・色・本数に種類や意味があるのです。

慶事には紅白や金銀、仏事には黒白や紫白・黄銀の水引が用いられます。お祝いごとである古希祝いには「紅白の蝶結び(花結び)」の水引を選んでください。

蝶結びは何度ほどけても結び直せることから、「何度あってもよいうれしいこと」を意味します。ほどけないほど固く結ぶ「結び切り(本結び)」は、繰り返したくないことに用いるもので、長寿祝いにはふさわしくないので注意しましょう。

のしの「表書き」

水引を挟んだ上段には「祝古希」「古希御祝い」や「寿古希」などの言葉を書き、下段には贈り主の名前を書きます。「古希御祝」など四文字は、死文字と言われ縁起が悪いとされることもあります。文字自体が縁起の悪いものではないですが、気にされる方がいる可能性があるため、使用しないほうが無難です。

また古希祝いの場合、家族や親族でお祝いをする場合が多く、表書きに「ありがとう」や「感謝」など、やわらかい印象の言葉を書くケースも増えています。

連名で贈る場合

古希祝いでは贈り主が複数になる場合も多いものです。夫婦で贈る場合の書き方は、まず夫のフルネームを書き、その左側に妻の下の名前のみを書きます。

その他、複数人で贈る場合の書き方は、3名までは右側から順に目上の方の名前を書き、友人同士の場合は「あいうえお順」に書きます。連名で贈る場合の名入れは、「子供一同」や「孫一同」とまとめて書いても問題ありません。

表書きや氏名を書く際には、毛筆で書くのが好ましいとされています。毛筆は書き慣れていない方も多いので、筆ペンやフェルトペンでも構いません。大切なのは濃い色でしっかりと書くことです。ただし、ボールペンで書くのは避けてください。

名前は表書きより少し小さめに書くとバランスがよくなります。フルネームで書くとより丁寧で、家族間で同じ名字が多い場合にも混乱せずに済むでしょう。

古希祝いの内祝いにも「熨斗(のし)」 を掛ける

古希祝いのお返し・内祝いにも「のし」を掛けましょう。お返し・内祝いを贈る場合のマナーについて解説します。

内祝いにも「のし」は必要

古希祝いのお返しは一般的には不要とされていますが、お返しをしてはいけないという訳ではありません。とくに家族以外の方からのお祝いには、お返しとして内祝いを贈ることが多くなっているようです。

子どもや孫など近しい関係の家族には、「ありがとう」の感謝の言葉が「お返し」になります。しかし友人や知人・遠方に住む親戚、また仕事関係の方からのお祝いには、あらたまってお返しをした方が気持ちも落ち着く、という方も少なくありません。

内祝いを贈る際の水引は「紅白の蝶結び」を選んでください。表書きは「内祝」や「古希内祝い」「古希記念」などと書きます。

内祝いの相場・定番の品物

内祝いの相場は、お祝いでいただいた金額の3分の1~2分の1程度です。あまり高額なお返しをすると相手を恐縮させてしまうこともあるので、関係性を踏まえて金額を決めるようにしてください。

内祝いの品物は、紅白饅頭やお酒、お煎餅や年輪をイメージさせるバームクーヘンなどを選ぶことが多いようです。ふくさや食器など、実用的な品物も人気があります。

実用品を選ぶ際には、相手が普段使いしやすいように、名前や年齢などの刻印は控えるようにしましょう。印字するならお菓子などの包装紙、ワインやお酒のラベル・箱に名前を入れたものを添えるなどの気遣いが大切です。

「外のし」と「内のし」の使い分けも覚えておこう

のしには「外のし」と「内のし」といった2種類の方法があります。それぞれに意味があるので覚えておきましょう。

「外のし」とは

「外のし」とは、贈り物を包装紙の上にのし紙を掛ける包装の仕方です。外のしは何の贈り物なのか、目的を明確に伝えたい場合に用います。

結婚祝いや出産祝いなどに外のしが選ばれ、古希祝いの贈り物も外のしで問題ありません。

「内のし」とは

「内のし」とは贈り物をのし紙で包み、その上から包装紙で包む方法です。表書きや贈り主がすぐにわからないので、控えめな気持ちを込めて贈るという意味もあります。そのため、内祝いの贈り物は内のしを選ぶとよいでしょう。

内祝いというのは相手の慶事をお祝いするものではなく、自分のお祝いごとのおすそ分けです。控えめな印象で贈りたいときには内のしを用いるのが一般的なため、古希祝いの内祝いも内のしで贈るようにしてください。

また内のしは、配送中にのしが破けたり汚れたりするのを防ぐ効果もあるため、宅配便で贈る際には内のしが選ばれます。さらに関西では内のし、関東では外のしを用いることが多いという、地域によっての違いもあります。

どちらを選べばよいかわからなくなった場合には、商品を購入した店舗で聞いてみるのがおすすめです。店員さんが適切なものを教えてくれるので、恥ずかしがらずに確認してみましょう。